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第30話 賭け

last update Date de publication: 2026-06-16 12:51:57

 フローラ達は、キュレアの神殿に招待された。

 豪華な食事が出てきた。

 タヌキンナは機嫌が良くなった。

 タヌキンナの隣でドラゴも哺乳食を出され美味しそうに食べていた。

「だいたいの事情は、わかるけど、もっと旅人を受け入れるって事は出来ないの?」

 キュレアは、「俺達だってそうしたいんだが旅人を入れると必ず被害に会ってるんだ!」

 この国の事を説明した。

「この国の民は、闘神じゃなく豊穣や芸術の神、一般の神が多くて闘神の神が少ないんだ」

「なぜ!ここ闘神の国なんでしょ?」

「もともと、この辺りは、闘神の国ではなかったんだ!ゼウスを嫌う奴らがこっちに来たんだ!結界があるから、天界の始まりの方へ行けずこの天界の果てに居座ってしまったんだ」

 フローラも久しぶりに豪華な食事を食べて少し機嫌がなおってきてキュレアの話しを聞いてしまった。

「ゼウスを倒そうと思ってる奴らもいる」

「ゼウスを倒すって?そんな強い神いなかったわ!人数が多くて面倒なのは、いたけど」

「君が強いんだよ」

 その言葉が気になった。

「あなたは、何で本気を出さなかったの?」

「君が、どういう神か知りたかったからね!それに本気を出しても君には勝てなかったよ」

 何、この神?

「あのねぇ!私が剣に呪いをかけて首を切ってたら蘇生だって出来なかったわよ」

「君は、呪いをかけなかっただろ?」

「そうだけど・・・」

「君は殺戮を楽しむ神ではない、敵意がない者は殺したくない神だ」

「でも、勇者がみんなの見ている前で負けてもいいの?」

「構わないさ!俺が負けたから誰も怪我をしなかったんだぞ!」

 フローラは、キュレアが言ってる事が納得できた。

「でも、私は、あなたの事まだ信じてないからね!何だか私より二手先か三手先を読んでるみたいで嫌な感じ」

「ちょっと!俺は、悪気は無いんだよ、これは人生経験だ!俺は、千年生きている神だぜ、勇者なんて500才過ぎてからだ、それまでは弱くて何度も殺されかけた」

 キュレアの話しに興味があったどうやって勇者までなったのか?

「その度に死にたくないと思ったら能力が覚醒されていったんだ!俺が勇者になるまでに何人仲間が死んだか!ああいう時はこうして上手くいったとか過去にあった経験で対処してる」

 キュレアは、フローラの顔を見た。

「なあフローラ!俺と賭けをしないか?」

「賭け?賭けって何を!」

「君を笑わせる事ができたら俺の勝ち!俺と同盟を結んでくれないか?」

「笑わせるって・・・」

「君は、怒った顔ばかりしてる!」

「私だって笑いたいわよ!私は、大切な友達が殺された!そして私は、たくさん殺した!笑えなくなったわ!それで期日はどれくらい?」

「3ヶ月でどうだ?あのドラゴンもミルクが必要なくなるだろ」

「いいわ!私もおもいっきり笑ってみたいわ!その賭けのるわ、でも8才の私に1,000才の神が賭けを持ち掛けるのは良くないと思うけど笑ってみたいから受ける」

「8才?ちょっと待った!あのオーラ100才は過ぎてるだろ」

 フローラは怒った。

「100才って!お婆ちゃんじゃない?笑わせるって言っておいて初っぱなに怒らせないで!」

 キュレアは、苦笑いをした。

 内心、神で100才は、子供なんだけど、今は反論しても大人気ないと思い我慢した。

 翌日、キュレアが街を案内してくれた。

 キュレアと一緒に歩いてると民達が寄って来て挨拶をしてきた。

 民から慕われてるんだなとフローラは思った。

 音楽が聞こえてきた。

 フローラの反応を見て「音楽好きか?」

「好きよ!」

 演奏をしてる所へ行った。

「どんな楽器が好きなんだ?」

「ハープ」

 ハープの演奏者の所へ連れていかれた。

「凄くいい音!」

「弾けるのか?」

「うん!」

「弾いてみないか?」

「やめておく」

「どうして?」

「悲しい曲しか弾けないの!死んだ人達の為に弾く、私が弾いたら悲しくなる!みんな楽しそうにしているのに悪いわ」

「楽しい曲を何故弾かないんだ?」

「私を守ろうとして死んだ人、その人の為に弾いてあげたい!でも私だけ楽しい思いをしたくないアントリュウスは、笑えないんだから」

「死んだその人は、君に悲しみをしょって生きてもらう為に死んだんじゃないと思うけどな!君に笑って生きてほしいと思って守ったと思う!守るやつってそういうもんだ」

「貴方も誰かに守られたの?」

「俺は、逆さ!守りたかった!そいつは、いつも笑っていた、笑顔が綺麗な女だった!俺の死んだ彼女だ!俺が留守の時ここに来た闘神に殺された」

 キュレアの顔が哀しそうな顔になった。

「俺も笑えるようになるまで何年もかかった」

「なぜ、笑えるようになったの?」

「時が解決したのかな?ずーとそいつの事ばかり考えてた、あいつが死んだのに自分だけ笑ってたら悪い気がしてたんだけど、ある時酒飲んでて何かの拍子に笑ったんだ」

 キュレアがローラの顔を見た。

「そしたら、そいつの笑った顔を思いだしてな、自分が笑ってるとあいつの笑ってた顔が浮かぶんだ!自分が悲しく思うとあいつの悲しい顔が浮かぶ、これ凄い発見だろ!試しにやってみろよ!」

「そんなの貴方だけでしょ!」

「笑えないんだったら、そいつの笑った顔を思いだしてみろよ、楽しかった事とか」

 フローラは、アントリュウスと笑ったときの事を思い浮かべた。

 アントリュウスが笑った顔、アントリュウスと楽しかった事、アントリュウスがドジった時を思い出した。

 プッ!ワハハハハハハ~~っ

「え~~っちょっと待って、ええ、え、もう賭け終わり!!今の騙された感じ!だけどキュレアあなたの事嫌いじゃないから同盟結ぶわ!」

 フローラは、久しぶりにおもいっきり笑った。

「ねぇキュレア私をもっと笑わせて!でも私、天界の果てに行かないといけないから3ヶ月したらここ出るわよ」

「ああ!構わないさ困ったら連絡するし、そちらが困ったら助ける」

「わかったわ!ねぇハープ弾いていい?」

「ああ!」

 フローラは、久しぶりにハープを触った。

 そして人間界の街で楽しく演奏会をした時のこと、村の人達からハープをプレゼントしてくれたときの楽しい事を思い出すと楽しく笑えた。

 そして他の音楽家達に「一緒に演奏しよ」と誘った。

 私が楽しそうに演奏をすると、みんなも楽しそうに聴いてくれた!

 フローラは、音楽家やキュレアの国の神達と仲良しになった。

 その後、フローラは、キュレアの国の神達に治療をしてあげたり畑仕事を手伝った。

 タヌキンナとドラゴも一緒になって手伝った。

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